余震

紛らわしいタイトルだが、東日本大震災とは関係ない。米国における2008年金融崩壊の後に起きている余波について論じたもの。著者はクリントン政権時代の労働長官も務めたロバート・ライシュ
ライシュが警告するのは、富の偏在であり、それによる景気後退である。今のアメリカは、富者によって仕組まれたゲームになっていると、ライシュは言う。その陰で、中間層以下は給与削減、失業などの憂き目に遭っている。
ストレート過ぎるところが物足りないと言えなくもないが、ごく真っ当な社会批評となっている。その処方箋も、富者への所得税強化など、これまた真っ当なものだ。日本で増税というとすぐ消費税が持ちだされるが、まず所得税相続税を十分上げてからの話ではないかと、私は思う。
余震(アフターショック) そして中間層がいなくなる