ネットデフレ

著者は、インターネットを理由とする物価の下落を「ネットデフレ」と呼び、これが雇用の悪化など経済に悪影響を及ぼすと警鐘を鳴らす。確かにそうした側面はあるが、ネットデフレのおかげで一般の消費者が多大な利益をこうむっていることも事実だから、この問題の「解決」は難しいだろう。著者は、現在のネット取引が「自動販売機」的になっているとして、窓口と同じような人的サービスをネットで実現する仕組みを実際に開発する企業の経営者で、本書も後半はその宣伝めいてくる。化粧品や占いの話などがよく出てくるので、途中まで著者は女性かと思っていた。
ネットデフレ ?IT社会が生み出した負のスパイラル? (マイコミ新書)