現代経済の大転換

邦訳の副題は「コミュニケーションが仕事になるとき」。内容は、現代の仕事において、コミュニケーションの重要性が増しているという指摘で、それ自体は基本的には正しいと思うのだけれど、問題は、「コミュニケーション」という言葉の含意が、日本語と欧米語とでかなり違うこと。基本的に、欧米語の方が「コミュニケーション」という言葉の含意が広い。日本語で「コミュニケーション」というと、まずは「ふれあい」とか、「社交」といったイメージが浮かんでくると思うが、欧米語では、いわゆる情報通信全体をひっくるめてcommunicationなのであり、日本語の狭い「コミュニケーション」を思い浮かべると、やや含意を取り違えるおそれがある。
現代経済の大転換―コミュニケーションが仕事になるとき