燃えつきた地図

安部公房が原作の小説の映画化で、脚本も安部自身が行い、監督は勅使河原弘。探偵として失踪者を探すうちに、自分を見失う主人公を勝新太郎が演じるのだが、ちょっと小説のイメージと違うかな。原作は昔読んだのだが、河原での乱闘場面などすっかり忘れてしまっていた。失踪者の妻を市原悦子が、失踪者の同僚で虚言癖のある男を渥美清が演じている。映像そのものは鏡面を多用するなど凝っているが、イマイチ感が漂う。約50年前の東京の雰囲気を知るのにいいかもしれない。

勅使河原宏の世界 DVDコレクション

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Media Accountability

副題はWho will Watch the Watchdog in the Twitter Age? (ツイッター時代に誰が番犬を見張るのか?)。2010年にブリガムヤング大学で行われた「メディア倫理コロキウム」に提出された原稿を核とした論文集。編者のウィリアム・バブコックは南イリノイ大学のメディア倫理の教授。オンラインニュースに寄せられた匿名コメントを分析した第6章が私にとっては興味深かった。例えば、シカゴで3人の若者が殺された事件に関し、その母親の年齢を問題にし、「投票や教育には免許が必要なのに、なぜ親になるのに免許が要らないんだ?繁殖をやめろ」などと匿名で悪罵を投げつける人がいるんだな。
副題は、Stephen D. Cooperの "Watching the Watchdog: Bloggers As the Fifth Estate "を意識しているのかもしれません。あるいはSeibの1976年の論文"Who will watch the watchdog"(The Masthead 28(1),pp.13-15)かも。

Media Accountability: Who Will Watch the Watchdog in the Twitter Age?

Media Accountability: Who Will Watch the Watchdog in the Twitter Age?

Watching the Watchdog: Bloggers As the Fifth Estate

Watching the Watchdog: Bloggers As the Fifth Estate