ゲーマー

囚人たちの心をネットワークを使って外から操り、殺人ゲームを行わせる「スレイターズ」、そして、同様に俳優たちを操って交流を楽しむサイト「ソサエティ」。この2つのシステムを作り、人類の心を支配しようとする独裁企業に、心を操られて囚人にさせられた男が、徒手空拳で挑みかかるアクション映画。「管理社会もの」と言ってよいだろう。アマゾンでは酷評されていたので、あまり期待せずに見たのだが、確かに突っ込みどころはいろいろあるにせよ、全体としては悪い映画ではない。

朽ちるインフラ

著者の試算によれば、今後数十年間の日本では、かつての公共投資によって作られた建物・橋・道路などが老朽化し、総額で330兆円、毎年8兆円もが、そういった「更新投資」のために支出されざるを得ないという。財政赤字が先進国中最悪の日本にとって、まさしく「泣き面に蜂」の事態と言える。第三章や第四章では、著者の所属する「東洋大学PPP研究センター」で開発したソフトで、具体的に自治体を取り上げ(埼玉県宮代町、東京都狛江市、神奈川県藤沢市など)試算を行っている。「本の貸し出し一回にかかるコストは1000円」、「学校の跡地利用に1世帯あたり100万円」といったコスト計算はショッキングだが、今後否応無く一層財政が苦しくなって行く以上、現実を直視せざるを得まい。
朽ちるインフラ―忍び寄るもうひとつの危機