フェリカの真実

フェリカというのは、ソニーが開発した「非接触ICカード技術」で、エディやスイカ、イコカといった日本の電子マネーの多くで使われている。本書の主人公は、ソニーの技術者であった(既に退社している)日下部進氏。日下部氏は、「海運王」と呼ばれた実業家の日下部久太郎を曽祖父に持ち、生家は舞子の豪邸(現在は舞子ホテルとなっている)、早稲田の理工学部生時代から様々な技術開発を行っていた。日下部氏は、JR東日本との提携を考えていたのだが、NTTドコモとの提携を考えていた重役陣の反対に遭って断念、結局経営判断の誤りがソニービットワレット(エディを発行する会社で、元はソニーが設立した子会社だったが、現在は楽天の傘下)を苦しめた、というストーリー。まあ重役たちには重役なりの考えがあってのことだろうが、本当であればひどい話だ。
フェリカの真実 ソニーが技術開発に成功し、ビジネスで失敗した理由