2002年に出た岩波ブックレットの一冊だが、今こそ読み返されるべき本だろう。高木仁三郎氏の作った「原子力資料情報室」が著者。東京電力が、これまでにも、福島や柏崎の原発トラブルを隠蔽し、通産省や原子力保安院も一緒になって(時には、事実を知らせようとする東電を抑えてまでも)それに手を貸してきたことが、明らかにされている。私も学生・院生時代は、いっぱしの「反原発派」だったが、いつの間にか原発が空気のような存在になり、はっきり言えば全く忘れていた。しかし事態は全く好転などしていなかったのだ。反省するほかない。