本当は嘘つきな統計数字

よく「ホンマでっかTV」でいじられている門倉貴史氏の著作。さまざまな統計数字に潜むワナを解説するものだが、特にエンゲル係数の低下が必ずしも豊さと結びついていないという指摘にハッとした。確かに高齢化が進めば、老人は食の細い人が多いから、豊かでなくても食費の割合は下がる可能性がある。
本当は嘘つきな統計数字 (幻冬舎新書)

40歳からの知的生産術

ギャンブル学の権威、谷岡一郎氏の著作。同じ著者の「「社会調査」のウソ」はなかなかよくできた本だったが、本書は中身が薄い。「40歳からの」とついているが、本書に書いてあるようなことを知らない40歳はもはやダメなのではないか。ノウハウの中心は、野口悠紀雄氏による「時間順ファイル」であるし、社会の上層部にいるような中年層にとって、目新しい事柄はほとんどない。まあ、野口氏のような「超エリート」でなければ、エリートの好奇心を満たすようなノウハウ本は書けないということかもしれない。むしろ、著者が学長を務める大阪商業大学の学部生にレベルが合っているのではないだろうか。
40歳からの知的生産術 (ちくま新書)