低炭素化時代の日本の選択

著者は元環境省の官僚で、現在は京大教授。地球温暖化対策の必要性を説く。第2章で企業の環境対策についてアンケートを実施し、日本企業になまだまだ環境を改善する余地があるところを実証したことは評価できる(ただこのアンケート、回答率は2割程度で低いが・・・)。第3章で、自分の自動車選択について、それまでの高級車嗜好から、プリウスに乗り換えたことで気持も変わったことを、率直に述懐しているところもよい。ただ、IPCCのデータをそのまま信用していることと、環境問題を温暖化(ならびに、その原因としての二酸化炭素排出)のみに矮小化しているところは問題だろう。他にも様々な種類の環境問題があるはずだ。
低炭素化時代の日本の選択―環境経済政策と企業経営