漢字好きを食い物にした罪は重いよ。
読売新聞ニュースより

財団法人「日本漢字能力検定協会」(京都市)を巡る背任事件で、親族企業2社に業務を架空委託し、協会に計約2億8700万円の損害を与えたとして背任罪に問われた協会の元理事長・大久保昇(76)、元副理事長の長男・浩(48)両被告の公判が8日、京都地裁(笹野明義裁判長)であった。


 検察側は論告で、「立場を利用した私利私欲のための自己中心的な犯行」として、両被告にそれぞれ懲役4年を求刑した。両被告は改めて無罪を主張し、結審した。判決は来年2月29日。

 検察側は論告で、昇被告が代表、浩被告が役員を務める親族会社2社について、「事務所はなく、従業員もおらず、実態はなかった」などと指摘。公益法人として「社会的責任を負う者が権限を恣意(しい)的に乱用した」と述べた。

 弁護側は最終弁論で、浩被告が捜査段階で容疑を認める供述をした点について、「検察官の強引な取り調べでフィクションを押しつけられた」などと批判した。

 最終意見陳述で、昇被告は「公正なジャッジメントを、ぜひお願いしたい」とはっきりとした口調で述べ、浩被告は「虚偽の事実を受け入れる一生は送りたくない。どこまでも真実を貫きたい」と潔白を訴えた。

(2011年12月8日21時09分 読売新聞)