数検よ、おまえもか

毎日新聞ニュースより

<数検>理事長に商標料年3000万円支払い 書類に無記載
10月24日2時31分配信 毎日新聞

 「実用数学技能検定(数検)」を行う文部科学省所管の財団法人・日本数学検定協会(東京都葛飾区)が、高田大進吉(たしよし)理事長(64)と、長男の副理事長に年3000万円超の商標料を支払いながら、同省に提出した決算書類に支払先や金額を記載していなかったことが分かった。文科省は「収支状況などから見て商標料は多額。妥当性を検証すべきだ」と引き下げを指導した。

 文科省によると、高田理事長は「数検」「児童数検」などの商標を個人で登録し、99年の財団設立以降、検定料収入などから商標料の支払いを毎年受けてきた。08年は3100万円だった。副理事長も別の商標を保有し、07年と08年に財団から200万円ずつ支払いを受けた。

 公益法人会計基準(06年4月改定)は、役員との取引について、金額などの内容を財務諸表に記載するよう求めているが、財団の財務諸表には07〜08年分の記載がなかった。

 財団の08年収支は赤字だったが、理事長の報酬は商標料の他に約2000万円だった。同省は「多額」と指摘し、商標料の妥当性とともに理事会などで検証するよう求めた。

 さらに、検定の採点業務などを請け負う関連会社「日本数学検定協会株式会社」に対し、財団から08年だけで約2億円を支出。同社の社長は財団の理事の一人で、同省は、取引が適正価格だったかなどの検証も求めた。

 数検の08年受検者は約34万人で、財団の検定料収入は約7億9000万円。前理事長親子が背任罪で起訴された財団法人日本漢字能力検定協会の「漢検」の08年度志願者約280万人と比較すると、8分の1程度の規模。財団設立前から高田氏の任意団体で実施し、ホームページによると92年の初回検定の受検者は約5500人だった。【加藤隆寛】

 ◇ことば・実用数学技能検定(数検)

 小学校4年生程度の8級から大学卒業程度の1級まであり、2級以上を取得すると高等学校卒業程度認定試験で数学の試験が免除されるほか、大学入試などでも利用されている。個人検定料は2500〜5500円。文部科学省が検定を後援している。

数学検定も大学院のころ1級を受けに行って合格したが、こんなことになっていたとは・・・。個人オーナーがぼろもうけをする仕組みを正常化しないと、例えば大学教育内に位置づけることムリだろう。逆に正常化されれば、さまざまに行われている各種の検定制度(英検を初めとして、仏検独検、中検、地理検定、歴史検定、美術検定音楽検定、経済学検定、心理学検定等々)を、現在の大学教育の質の向上に役立てることもできると私は考えている。