メディアとジェンダー

授業準備のためもあり、メディアとジェンダーフェミニズムなど)関係の本をまとめ読み。どれも内容は似通っていて、テレビや雑誌における、女性のステレオタイプの描かれ方を批判する。
加藤+津金沢『女性とメディア』は、研究者と、メディアで実際に働く女性と合わせて約20人で構成。一つ一つの論考は短い。ディッキーほか『メディア・セクシズム』は、英書の翻訳で、メディアに現れている「年齢差別」「民族差別」「身体へのまなざし」などを論じているが、原書の半分も収められていない抄訳とされている。諸橋『ジェンダーの語られ方、メディアの作られ方』は、第4章の「若者雑誌とジェンダー」の部分は具体的調査でよいのだけれど、全体としては雑文・講演の寄せ集めで中身が薄い。おじいちゃんの漢字研究の跡を継いではくれないのか。村松・ゴスマン(編)『メディアがつくるジェンダー』は、まるで翻訳書のような体裁だが、内訳は日本側論文9本、ドイツ側論文3本と、かなり日本側に内容が偏っている。内容分析が主で、テレビドラマやアニメ、文学などが俎上に乗っている。村松泰子氏と村松安子氏は7歳違いだが、どういう関係なのだろう。大日向『メディアにひそむ母性愛神話』は、雑誌連載をまとめたもので読みやすいが、メディアのコンテンツに含まれている母性愛を告発するスタンスをとっている。
メディアにひそむ母性愛神話
メディアがつくるジェンダー―日独の男女・家族像を読みとく
ジェンダーの語られ方、メディアのつくられ方
メディア・セクシズム―男がつくる女(ファンタジー)
女性とメディア (SEKAISHISO SEMINAR)