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国勢調査、再考が必要な時期に来ているようだ。
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全国一斉に行われている国勢調査。調査員たちは各世帯に配布した調査票の回収に全力を挙げているが、プライバシー意識の高まりなどから回答拒否が増加するなど、ストレスは大きい。調査員不足も深刻になっている。坂東市では、アパートの住民が調査協力をしないことなどを理由に、調査員が調査票を燃やしたとされる事件も起きた。(岡田玄)「こんなに大変と知っていれば、引き受けなかった。もう二度とやりたくない」。土浦市で初めて国勢調査員をした女性(66)は言う。
担当は約80世帯。朝から夕方まで、各世帯の希望時間に合わせ、移動は分刻みだ。しかし、まだ約20世帯分が回収できていない。すべて集合住宅の世帯だ。
そもそも、住んでいるのかどうかもわからない。不動産業者に尋ねても、教えてくれない。隣人も「知らない」の一点張りだ。夜、室内に明かりがともっているのを確認しても、居留守を使われる。
県内に約1万8千人いる調査員は非常勤の国家公務員。任命期間は準備から回収までの2カ月で、1区あたり平均50世帯を担当する。報酬は1担当区で約4万5千円、2区担当すると8万5千円だが、「仕事量を見れば、半ばボランティア」(土浦市職員)という。
たとえ調査員であっても、本人の承諾なしに、住民票などは開示できないため、調査員は地図を頼りに担当地区を歩き、人が住んでいるのか、いないのかを判断する。
しかし共働き世帯や一人暮らし世帯、オートロックマンションの増加で、人が住んでいるのかどうか確認できないケースも多い。日中に確認できないと、早朝や夜に訪れることになるが、朝行くと「寝ていたのに」、夜は「こんな遅くに失礼」と怒られる。「本当に調査員なのか」と疑われることさえある。
今回からプライバシーに配慮し封をして提出できるようになったが、適用外の個人情報保護法を理由に回答を拒否する人も後を絶たない。
「途中でやめたいと言う調査員は、数十人じゃきかない」。水戸市総務課統計調査事務所の大峰正美所長は言う。「だから1度やった人に、2度目はなかなかお願いできない」。同市では33人の市職員が不足分を補う。
日立市はより深刻だ。1316人の調査員のうち、558人が市職員だ。仕事が終わった後や週末に町内を回るのはもちろん、休暇をとり、調査に充てる職員もいる。
同市の山本忠総務課副参事は「前回よりも、明らかに厳しくなったと肌で感じる。本人からの回答が得られないため、大家や近所の人から聞き取り調査をする例も増えている」と話す。
回収締め切りまで、あと数日。調査票は各市役所と市町村役場で入手できる。
国勢調査見直しへ、郵送やネット利用も検討 (日経)
政府は11日、国勢調査をめぐるトラブルが多発したことから、制度を見直す方針を固めた。国勢調査は調査員の戸別訪問による調査票の配布・回収を原則としているが、今後は郵送やインターネットの活用を検討。調査項目についても選択式の拡大など簡略化を目指す。総務省に有識者らによる検討会を設置し、年内にも改革の方向性をまとめる。今年は5年に1度の国勢調査の実施年に当たり、1日現在の状況を記入した調査票を10日までに回収済みだ。ただ、今回は調査員(非常勤の国家公務員)ではない人が、調査票をだまし取る事件が頻発。個人情報保護の意識の高まりから、回答を拒否する住民が増えている問題もあり、早期に対策を取る必要があると判断した。 (07:00)
私の意見では、たかがこの程度の調査に対して、「プライバシー保護」を盾に回答しないというのは、まさに非国民であると思う。その同じ人間が、他人についての情報には興味津々で、ワイドショーやネットでかぎまわったりしているのだから。国民が情報を自ら明かして初めて、国がなりたつのではないか?
「調査員に見られたくない」というのは分かる。これについては対策を講じる必要があるだろう。
項目についても再考が必要ではないか。正直に答えないと思われる質問は、尋ねてみてもあまり」意味がないし、住民票や戸籍で分かることもいらない(ここでも、個人情報の「目的外使用の禁止」が邪魔になる)。
その上で、調査員に強制力を持たせることも、検討せねばなるまい。「プライバシー」といえばどんな情報隠蔽も許されると考えるバカが、犯罪者を中心に、この国には増えているのだから。