地域情報化の本

久しぶりに地域情報化関連の本が出た(電子政府や電子自治体に関する本は、小ブームといっても過言ではないほど多いのですが)ので、当然買いました。
丸田一『地域情報化の最前線』です。基本的には、「成功している事例集」で、なんか岩波というより、日経とか日刊工業の本みたい。私が取材していない事例もあるので、勉強にはなりますが、たとえば原町市の「あっと・はらまち」について、まだ採算点までいっていないのに、NTTやヤフーBBが参入してきたというようなことは書いていない。努めて「明るい面」を見ているという感じです。
今年の初めには、愛媛大学の「地域情報学」講座を担当している人びとの共著で、『地域情報化の課題』という本が出ていて、これはまあ、あまり主題と関係ない論文も混じっていて、玉石混交という感じかな。でも公文俊平御大も執筆してますね。
公文俊平氏と言えば、文明の発展を、武力を中心とした「威のゲーム」、経済力を中心とした「富のゲーム」そして情報文明の「智のゲーム」へと展開すると主張されてますが、現在のテロリズムについての見解を知りたいなあ。あれは、(9・11の無差別大量殺戮に見られるように)「威のゲーム」のバックラッシュと捉えたほうがいいのか、それともテロ自体を(例えば少数の人質殺害の残虐な映像を最大限に利用するというように)「智のゲーム」の一環と捉えたほうがいいのか。どちらにしても気の滅入る話ではあるけど。

地域情報化の最前線―自前主義のすすめ

地域情報化の課題―地域に根ざした情報化の可能性