死因百科

人間がどんな要因で死ぬのか、その「死因」ごとに中項目で解説した書。著者は米国人で、扱われている統計も米国中心だけれど、「もち」という日本的な項目も立項されている。統計数値は、行き当たりばったり的に収集されたもののようで、一貫性には乏しいけれど、それでも意外な数値が書いてあるのでいろいろと驚いた。最初の項目はアイスクリームだが、「2001年から今日までに、987人の子供が、アイスクリームを買いに走る途中、あるいは戻ってくる途中で死亡している」、といった具合である。
図説 死因百科

知的文章とプレゼンテーション

東大教授や岐阜大学長を勤めた高名な医学者の黒木登志夫氏が、自らの経験から語る文章論ならびにプレゼン論。論文の書き方だけでなく、申請書の書き方や、審査のあり方などにも紙幅が割かれていて参考になるところは多い。ただ、やや抽象的な事柄が多いことと、偉い人にありがちな自己正当化的バイアスが感じられるところはある。まあ、自然科学の方が、人文社会科学よりは公正な審査が行われているのかもしれないが、私が知る限り、いわゆる文科系の査読や予算審査は、とうてい公正とは言い難いいい加減な「審査」がまかり通っている場面がある。その実態を知ったら著者も驚くのではなかろうか。
知的文章とプレゼンテーション―日本語の場合、英語の場合 (中公新書)