ノンフィクション作家の保阪正康氏が描く田中角栄像。これまで描かれてきた像とさほど大きく異なるわけではないが、分量が多く、細部にはいろいろとおもしろい個所もある。
CO2温暖化説は間違っている
エントロピー学説で著名な槌田敦氏の著作。私も学生時代、氏の著作な何冊か読んで感銘を受けたが、二酸化炭素が温暖化の原因であるという説に反対していることは本書を読むまで知らなかった。地球の温暖化も事実であるし、二酸化炭素の量が増えているのも事実であるが、槌田氏は、その因果関係は通常言われているものとは逆で、温暖化が原因、二酸化炭素の増加が結果であることを立証していく。さらに、二酸化炭素が温暖化の原因とされたのは、原子力発電を推進したい勢力が研究費を分配するなどして裏で糸を引いていたのではないかとする。
私は氏の意見に百パーセントの賛意を表すものではないが、かなりの説得力を感じた。ともかく、地球温暖化に関する俗説は、眉にツバをつけてじっくりと検証する必要がある。