ネットの高い壁

ネット上にいまだ残る障壁をテーマとした本で、NECの資金による受託研究らしい。大きく言うと前半の第1章と第2章が、中国における検閲を、後半の第3章と第4章がイスラムを扱っている。グーグルと中国政府との「戦い」が話題になっている今、結果として時宜を得た出版になった。第2章は張力という中国人が、(おそらく)中国政府を代弁するような形でネットの危険性を書いているのだが、日本語の表現がどうにも分かりにくい。張氏が自分で書いているのか、それとも下手な翻訳者が訳しているのかは分からないが・・・。そして、中国と比べると話題になることは少ないが、イスラム諸国におけるインターネットの統制も、中国に劣らずひどいものだということを本書で知った。
ネットの高い壁―新たな国境紛争と文化衝突