血税空港

全国には99もの空港があるが、そのほとんどは赤字に苦しんでいる。地元の要求するままに、経済効果などを見込んで無為無策で空港を作り続けてきた運輸省国土交通省の無策を批判。富士山静岡空港などにも厳しい批判を浴びせている。
その中で能登空港は善戦しているそうだ。もし静岡県に一つ空港を作る必要があるなら、むしろ交通の不便な伊豆の突端にでも作ったらよかったのではないか。下田へは伊豆急の特急が通じているから東京からは「踊り子」で行けるが、飛行機の便があれば北海道や九州からも観光客を呼べるだろう。浜松は中部国際空港に近いし、静岡は羽田・成田に行ってもそう遠くないことを考えると、静岡空港へのニーズはほとんどないだろう。
血税空港 本日も遠く高く不便な空の便 (幻冬舎新書)

世襲議員のからくり

ジャーナリスト上杉隆氏の著作。世襲議員は、後援会のみならず、親の財産を無税で引き継ぐことができる。これは完全な「相続税脱税」ではないのか。世襲に期待する支援者、それを当選させてしまう国民も問題だが・・・
「おわりに」には、テレビ局に子女を入社させている政治家の一覧が載っている。知っていた事例もあったが、それにしてもこんなに多いとは、絶句する。コネのない優秀な学生たちが本当に苦労しているのに、まさに許しがたい。中でも、小杉隆が子供をTBSに入れていたのには驚いた。小杉隆と言えば、妻が借金癖で引退に追いやられた元・新自由クラブ自民党議員だったが、彼の前職はTBS職員である。TBSには社員の子女は採用しないという内規があったのではなかったか。腐った世界だ。
世襲議員のからくり (文春新書)