サーチ理論

情報理論の本かとおもったが、経済学の本だった。
経済学でいうサーチ理論とは、完全情報を仮定するワルラス市場を前提とせず、「限られた情報・選択肢」のなかで、各経済主体が取引を行うとどうなるか、研究する理論らしい(知らなかった)。
第一部は理論の基礎、第二部は労働市場、第三部は貨幣理論(なぜ使用価値を持たない貨幣が流通するのか、といった問題群)を扱う。結構高度な数学を使っていて、数式をフォローするのも一苦労であるが、そこで興味深い結論が導かれている場合もあれば、ショボイ(常識的に当たり前な)結論しか出ていない場合もあり、後者の時は脱力する。だが、今後の発展が期待できる分野だろうとの感触は持った。
サーチ理論―分権的取引の経済学