高学歴ワーキングプア

増田聡さんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/smasuda/)で知った。大学院生の数を急増させることになる「大学院重点化」構想が、著者が言うように、文科省と東大法学部の「陰謀」だったとは、私は思わない。しかし結果として、著者のような、大学院に進学したはいいが就職するポストがない若者を大量に生み出したことは事実だ。この政策の失敗に、誰ひとりとして責任を取ろうとしていない。
細かなところでは異論もあるけれど、著者による大学批判・文教行政批判はまったく真っ当だし、当事者が「上げにくい声」をあえて上げたところは、高く評価されるべきだ。特に大学関係者は必読だろう。
高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)